国連が22日、気候変動による深刻な熱ストレスから労働者を守るための指針を盛り込んだ報告書を公表しました。持病のある人や中高年など体力が落ちている人にも配慮し、地域や職種ごとに対策を考えるよう、各国の政府や雇用者に呼びかけています。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「国連の暑さリスク報告書」について解説します。
Q 国連が公表した報告書はどんな内容なの?
A 極端な暑さは、世界各地で厳しさと頻度とも増していて、屋内外での労働者のリスクを高めています。熱中症などの健康被害は今後、開発途上国で特に深刻化するとみられるといった内容です。暑さと生産性の関係にも着目していて、セ氏20度を超えると、気温が1度上がるごとに労働者の生産性が2~3%下がると伝えています。世界気象機関(WMO)と世界保健機関(WHO)が共同でまとめました。
Q 対策についても触れられているのかな。
A 労働者を含め、利害関係者全員を巻き込んで対策に取り組む必要があるとしています。送風機が付いた作業服など、暑さをやわらげる技術を積極的に使うことなどを求めています。
Q このような報告書は久しぶりなんだって?
A WMOとWHOが暑さと労働に注目した報告書を出すのはおよそ半世紀ぶりです。WMOのバレット副事務局長は暑さから労働者の命を守ることは「世界的な共通課題となった」としています。
Q 日本でも何か変わったの?
A 日本では労働安全衛生法の規則が改正され、6月から職場での熱中症対策が罰則付きで義務化されました。
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