呼吸器外し7歳娘殺害の母 引き金は2日前の夫の「小さな舌打ち」

Date: Category:速報 Views:3459 Comment:0

福岡地裁=福岡市中央区で2021年5月27日、吉川雄策撮影
福岡地裁=福岡市中央区で2021年5月27日、吉川雄策撮影

 事件の引き金となったのは、夫の小さな舌打ちだった。人工呼吸器なしでは生きられない長女の介護を献身的に続けてきた被告の女性(45)は、「相棒」と信じてきた夫に協力を拒まれると急速に心を閉ざし、ある結論へと突き進んでいった。

 2025年7月、福岡地裁905号法廷。被告人質問のため、証言台に立った小柄な女性は終始、視線を下に落としていた。

 起訴罪名は殺人。25年1月5日午後2時45分ごろ、福岡市博多区の自宅で、ベッドにいた長女の心菜(ここな)さんの首に挿入された人工呼吸器を取り外し、窒息死させたとする罪に問われていた。

 事件が起きたのは、心菜さんの8歳の誕生日を約3週間後に控えた日曜日。昼夜を問わず、熱心に介護を続けてきたのに、なぜ――。女性が起訴内容を全面的に認める中、裁判で注目されたのは動機と背景だった。

「呼吸器なしでは生きられない」

 心菜さんは、女性が不妊治療を続けて授かった待望の第1子。生まれながらに遺伝性の難病、脊髄(せきずい)性筋萎縮症(SMA)を患う医療的ケア児だった。全身の筋力が低下する病気として知られ、国内にほとんど例がない最重症の0型と診断された。

 「体は動かせず、呼吸器なしでは生きられない」

 医師にそう告げられた時、…

Comments

I want to comment

◎Welcome to participate in the discussion, please express your views and exchange your opinions here.