第70回全国高校軟式野球選手権大会(26日・明石トーカロ)
○中京(東海・岐阜)16―0東洋大牛久(北関東・茨城)●
終わってみれば中京の大勝だったが、三回までは互いに無得点の緊迫した展開だった。突破口を開いたのは、中京の1年生右翼手・酒井輝馬だった。
四回2死二塁で左打席に入った酒井は、内角寄りの直球に狙いを定めた。前回登板した1回戦で無安打無得点試合(ノーヒット・ノーラン)を成し遂げた相手先発・野田鴻志が左打者に対して効果的に使っていた球だ。
4球目、狙い通り内角に来た直球をしぶとく右前に運ぶと、均衡を破る適時打に。「狙っていたところに来たので信じて振るだけだった。チームの流れにもつながったと思う」と笑顔を見せた。この先取点が呼び水となり、打線は続く五、六回で一挙15点を奪った。
酒井は幼い頃から軟式野球に取り組み、「日本一になりたい」と中京へ。先に入部していた1学年上の兄から「厳しい環境だとは聞いていた」というが、覚悟の上だった。
達成すれば史上初となる大会4連覇に向けて「先輩が頑張っているのに後れを取るわけにはいかない。1年目でも、できることは何か考えながらやっている」と酒井。偉業を目指すチームにとって頼もしい新戦力だ。【吉川雄飛】
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