朝日、日経新聞が米国の生成AI事業者を提訴 「記事を無断利用」

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東京地裁=東京都千代田区で、米田堅持撮影 拡大
東京地裁=東京都千代田区で、米田堅持撮影

 生成AI(人工知能)サービスにニュース記事を無断で利用されたとして、朝日新聞社と日本経済新聞社は26日、米国の生成AI事業者「Perplexity(パープレキシティ)」に計44億円の損害賠償や記事の無断利用の差し止めなどを求める訴訟を東京地裁に共同で起こした。一連の行為が著作権侵害に当たると主張している。

 パープレキシティを巡っては、読売新聞社も7日に著作権を侵害されたとして約21億円の賠償を求める訴訟を起こしている。海外では報道機関が生成AI事業者を訴える事例が相次いできたが、国内でも記者が膨大な時間と労力を費やして取材・執筆した記事への「ただ乗り」をけん制する動きが強まった。

 パープレキシティは利用者からの質問に対し、インターネット上の情報を生成AIで要約して回答するサービスを提供している。朝日と日経は、朝日がヤフーニュースに配信した記事や、日経が有料会員のみに提供している記事を含む両社のコンテンツについて、パープレキシティが遅くとも2024年6月ごろから許諾を得ずに複製・保存し、著作権の中の複製権や公衆送信権などを侵害したとしている。

 さらに、パープレキシティが生成する回答の中には、引用元として両社を表示しながら、実際の記事内容とは異なる虚偽の事実を多数表示しているとも主張。情報の正確さが求められる新聞社の信用を著しく毀損(きそん)していると訴えている。

 朝日は「当社のみならず日本新聞協会を通じて業界全体でも対応を求めてきました。改善がみられないまま記事の無断利用が続く状況は看過できない」、日経は「民主主義の根幹を支える健全な報道を守る意義を訴えていく」とコメントした。【安元久美子】

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