
三菱商事は27日、千葉県と秋田県沖の3海域で計画する洋上風力発電所事業から撤退すると発表した。中西勝也社長は「実現可能な事業計画を立てることは困難であるとの結論に至った」と述べ、建設コストの大幅増などを理由に挙げた。
「本当に衝撃的だった」(経済産業省幹部)。洋上風力発電は、政府の再生エネルギー戦略の主軸に位置付けられているだけに、三菱商事の撤退発表で、事業を主導してきた経産省に動揺が広がった。「日本における洋上風力の導入に遅れをもたらし、大変遺憾だ。今回の撤退は地元の期待を裏切るもので、洋上風力全体に対する社会の信頼そのものも揺るがしかねない」。武藤容治経産相は27日、三菱商事の中西勝也社長から撤退理由の説明を受けた後、厳しい言葉を伝えた。
政府が2月に閣議決定した第7次エネルギー基本計画では洋上風力について、…
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