第84期名人戦A級順位戦 千田翔太八段-中村太地八段 第6局の5

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ヘタウマの3連打

 千田の読み筋は[後]4二金[先]3四歩[後]6四金、あるいは単に[後]6四金。とにかく飛車の捕獲を気にしていた。そんな最中の[後]4六角(図)。「予想外でした」と千田は語る。

 予想外というのはオブラートに包んだ表現で、意訳すれば「ありがたかった」。すかさず[先]8八玉。「相手の角とと金から手順に離れられます。[後]5七角成と踏み込んだ瞬間が極めて危ないため、後手の指す手が難しいように思いました。ここで有利の手応えを明確に感じました」(千田)

 そのまま夕食休憩。再開後も中村は指さなかった。時折苦しげに顔をゆがめる。[後]4六角と打ったせいで、喜んで入城されてしまった。プロ的な言い方をすれば、「実質的に[先]8八玉をゼロ手で入れられた格好」なのだ。そんな後悔があったのだろう。

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