色鮮やかなチョウの羽入りキーホルダーが奈良県橿原市ふるさと納税の返礼品に加わった。約10種500匹を飼育する市昆虫館の温室のチョウを再利用した5点セット。関西で大規模公立昆虫館は他に兵庫県伊丹市と大阪府箕面市しかなく、県内では橿原市のみの“特産品”を生かした返礼品。チョウ愛好家らに人気を集めそうだ。
市昆虫館で飼育しているチョウが死んだ際、残された羽を再利用したオリジナルキーホルダー。館内のカプセルトイで1個300~500円で販売され、大好評のグッズを返礼品にした。チョウの種類は返礼品ごとに内容が変わるが、白黒のまだら模様が特徴的な「オオゴマダラ」、先端がだいだい色の「ツマベニチョウ」などの美しい羽を持ち歩ける。チョウのサナギの抜け殻入り1点も含む計5点セット。ふるさと納税額は8000円。
市のふるさと納税額は2023年度1億1550万円にとどまり、県内市町村で11位と苦戦していたが、24年度は1億6540万円で9位に順位を上げた。しかし両年度とも県内では、全国的な知名度が生きる奈良市が1位、市内生産の革靴が好評な大和郡山市が2位、ブランド肉「大和牛」の宇陀市3位と3強を占めた。このため橿原市は3強に負けない特産品でアピールしようと、4月に全国品評会で1位に輝いたクラフトビール「スペシャルハウスラガー」を返礼品に加えていた。
市地域振興課の担当者は「来館しにくい遠方のチョウ愛好家のふるさと納税を期待している。また市昆虫館を広く知ってもらうきっかけにもしたい」と話している。【皆木成実】
Comments