米国を除く国連安全保障理事会の14理事国は27日、パレスチナ自治区ガザ地区での飢饉(ききん)を「人災」だとする共同声明を発表し、イスラエルに支援物資の搬入制限の解除と軍事作戦の拡大決定の撤回を求めた。
共同声明は、「飢餓を武器として使用することは国際人道法に違反している」と指摘した上で、「ガザでの飢饉はただちに止めなければならない」と強調した。イスラム組織ハマスには即時かつ無条件の人質解放を求めた。
この日開かれた安保理の公開会合で、米国のシェイ国連臨時代理大使は、ガザでの人道支援について「優先事項」だとしながらも、ガザで飢饉が起きているとする国連などの報告の信頼性には疑問を呈した。
国連機関や人道支援団体などの連合体「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の委員会は22日、ガザ市と近郊で「飢饉」が発生していると初めて認定した。来年6月までに5歳未満の子供少なくとも13万2000人が急性栄養失調となり、このうち4万1000人が死亡するリスクが高いと試算している。
イスラエルはIPCの報告は「偏向している」として撤回を求めている。【ニューヨーク八田浩輔】
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