特別展 「巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語」 東京であすから 名作に込めた生きる喜び

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 特別展「巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語(メルヘン)―現代マイセンの磁器芸術―」が30日から、東京都港区の泉屋博古館東京で始まる。本展の見どころを、森下愛子・同館主任学芸員が解説する。

 ヨーロッパを代表する名窯、マイセンは、18世紀に王立の磁器製作所として創業した。1000年以上の歴史をもつドイツの古都マイセンの地に、熱心な東洋磁器愛好家であったザクセン選帝侯のフリードリッヒ・アウグスト1世(通称・アウグスト強王、1670~1733年)の命により王立磁器製作所が設立されたのは1710年のことである。アウグスト強王はとりわけ17世紀に日本の肥前(現在の佐賀県)、有田で生産された「柿右衛門様式」の色絵を愛し、マイセンでも色絵による硬質磁器が作られた。「色絵柴垣松竹梅鳥図皿」は、延宝年間(1673~81年)ごろの「柿右衛門様式」のひとつであり、アウグスト強王の旧蔵品であったことがわかる作品である。

 本展では長い歴史をもつマイセン窯の中でも、戦後の旧東ドイツ時代に数々の名品を誕生させたアーティスト、ハインツ・ヴェルナー(1928~2019年)にスポットをあてた。1960年にマイセン磁器製作所は創立250年を迎え、新たな時代の幕開けを迎える。ヴェルナーを含むアーティスト集団「芸術の発展を目指すグループ」が結成され、67年には、かつてアウグスト強王の狩りの城だったモーリッツブルク城にアトリエが設…

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