今年、生誕100年を迎えた三島由紀夫(1925~70年)の作品をテーマにしたグループ展「永劫(えいごう)回帰に横たわる虚無 三島由紀夫生誕100年=昭和100年」が東京・表参道のGYRE GALLERYで開催されている。国内外の現代美術作家らが『豊饒(ほうじょう)の海』『仮面の告白』などをテーマに、三島の世界観を描き出す。
紹介...
東山彰良さんが本紙で2023年8月から約1年半連載した長編小説『三毒狩り』(上・下)が毎日新聞出版から刊行された。処刑され、地獄に落ちた一人の青年が現世とあの世を冒険する中でたどり着いた場所。それは東山さん自身が「あこがれている一つの境地」だと言う。
舞台は1964年、中国・山東省。青年・佟雨龍(とううりゅう)は赤ん坊の頃、養父...
ピンクと紫の花柄のワンピース、8時15分で針が止まった懐中時計、ほほえむシャーリー・テンプル人形――。広島平和記念資料館(広島市)に収蔵された被爆者の遺品や資料を40年以上撮影し続ける写真家、土田ヒロミさん(85)の写真展「ヒロシマ・コレクション―1945年、夏。」が、大阪市北区の中之島香雪美術館で開かれている。被爆から80年の節...
『一般的に、審査が通りやすくなるのは家賃の三倍以上の月収があることだとされていて、鹿島さんの場合はそこはクリアしています』
凌生の月収は十八万円ほどだ。それに賞与がついて、年収は二百三十万円が少し欠けるくらい。思わず声が出る。
「じゃあ、どうしてだよ」
『収入の額というより――ひょっとしたら、これまでのお支払い記録の履歴によるもの...
戦後80年を迎え、各地の美術館でも戦争を見つめ直す展覧会が開かれている。戦争はいかに表され、現代の美術家は今、何を表現するのか。各館の試みを紹介したい。
戦後、米国に押収され、1970年に「無期限貸与」という形で日本に返還されたプロパガンダの「作戦記録画」(戦争画)。計153点を保管する東京国立近代美術館では、「コレクションを中...
照りつける日差しの中で日傘を手に歩く人たち=東京都千代田区で2025年7月18日、滝川大貴撮影
<俳句>小川軽舟選
日傘して小さくなりし世界かな
(姫路...
異質に思えた[先]7九金
中村太地八段が角換わり早繰り銀を志向。序盤からテンポよく飛ばす。A級開幕に向けて入念に準備してきたことがうかがえる。それにしても横ばいの[先]7九金(図)には驚いた。最新定跡に疎い筆者には異質に思えた。僅か2分で指せる手ではない。AI(人工知能)研究の裏付けは間違いない。そう感じてソフトを確認すると、第1...
・水は海、空気は空と、青くなり透明な日々は 青春となる。 美しい日本語BOT
てのひらにすくい取った水は透明。でも、海も湖もプールも、たっぷりと水が集まれば青色に。そして見上げれば、青く広がる昼間の空。理科の授業で光の習性だと習っても、やっぱりなんだか不思議です。あの日々も、遠く離れて振り返ると「青春」という色になるのですね。
・...
きみの耳花火の音が塞いでてぼくの「ごめん」は宙をただよう 所沢市 里見脩一
<評>臨場感のある作品だ。2人は花火の音とざわめきの中にいる。そんな場面で謝るところに微妙な心理が表れている。
いいですかアン・ドゥ・トロワでいきますよ アン・ドゥ・トロワ はい終わりです 東京 富尾なつ
<評>シンプルな歌である。レッスンの始まりと終わりの...
一票を入れてやるから俺にくれ名前を叫ぶだけのマイクを 四日市市 早川和博
<評>候補者はただ名前を連呼しているだけのようだ。ならばそのマイクを「俺」に。「俺」も「叫ぶ」。何を?
祖母言ひき分限者(ぶげんしゃ)の蔵には古古米が貧乏の家は早から新米 京丹後市 山副美佐子
<評>分限者とはお金持ちのこと。蓄える余裕のない家は新米までどうし...