ミャンマーの軍事政権は7月31日、2021年2月のクーデター以来続いていた非常事態宣言を解除すると発表しました。国軍は12月にも民主派を排除して総選挙を行う方針で、形式的な「民政移管」を主張しながら権力の維持を狙っています。国内では今も民主派や少数民族武装勢力との戦闘が続き、情勢に大きな変化はない見通しです。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「ミャンマーの非常事態宣言解除と総選挙」を解説します。
Q ミャンマーの非常事態宣言が解除されたんだってね?
A 軍事政権は、2021年2月のクーデター以来続けていた非常事態宣言を7月31日に解除すると発表しました。これは、総選挙を実施するための準備とされています。
Q 非常事態宣言ってなんだっけ。
A 非常事態宣言は、国の安全や秩序が大きく乱れたときに、特別な権限を使って国を統治する制度です。ミャンマーでは国軍によるクーデターの後に出されていました。
Q 総選挙はいつ実施されるの?
A 国軍は12月にも総選挙を実施する方針です。ただし、民主派を排除した形での選挙になるとみられています。また、全土での実施は難しい状況で、選挙管理委員会は全国330郡区のうち267郡区で投票を実施する予定です。安全が確保できない場所では投票ができないかもしれません。
Q アウンサンスーチー氏はどうなったの?
A 民主派指導者のアウンサンスーチー氏は国民民主連盟(NLD)を率いていましたが、今も拘束が続いています。NLDは政党資格も抹消されています。
Q 民主派は選挙に参加できるの?
A 参加できるのは選挙管理委員会が承認した政党だけで、NLDなどの民主派は排除されています。NLDの議員らによる民主派の「国民統一政府(NUG)」は選挙の実施に反対しています。
Q ミャンマーの軍政と近い中国やロシアの反応は?
A 中国やロシアは、ミャンマーへの影響力を強めたいと考えていて、総選挙を支持する姿勢を見せています。中国はミャンマーから中国内陸部を結ぶ経済回廊への投資や法律の制定などで関係を深めています。
Q ミャンマーが加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)どう考えているのかな。
A ASEANは、暴力の即時停止が先だという立場を変えていません。国軍は総選挙を通じて国際社会への復帰を目指していますが、民主派の排除や治安の悪化など課題が山積みです。
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