オーストラリアの有力紙オーストラリアンは4日、豪海軍の最大100億豪ドル(約9500億円)規模の新型汎用(はんよう)フリゲート艦の導入計画を巡り、豪政府が数日中にも共同開発国を選定する見通しだと報じた。日本とドイツが最終候補に残っており、日本が有力との見方も出ている。
豪州は中国の海洋進出を念頭に、老朽化したフリゲート艦に代わり、新型艦11隻を導入する計画を進めている。昨年11月には共同開発国の最終候補を日本とドイツに絞り込み、25年中に選定すると発表していた。
日本は、三菱重工業が開発した海上自衛隊の最新鋭護衛艦「FFM」(もがみ型)をベースにした共同開発を提案している。運用に必要な人員が従来型の約半数の90人で済むのが特徴で、豪州の同盟国でもある米国の艦艇と連携して運用しやすい設計も強みだ。
一方、ドイツはティッセンクルップ・マリン・システムズの「MEKO A200」を提案しており、日本案と比べてコストが抑えられる点と、既存の戦闘システムを搭載できる統合性が利点と指摘されている。
豪ガーディアン紙は複数の防衛産業関係者の話として、日本案の方がより新しい設計である点などが評価され、有力視されていると報道。また、16年に日本が豪州の潜水艦受注契約でフランスに競り負けた経緯もあり、「豪政府が準同盟国である日本を再び失望させたくないという思惑もある」と報じている。【バンコク国本愛】
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