排外主義は病魔  斎藤幸平さんがドイツから問う「日本人ファースト」

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斎藤幸平・東京大准教授=三浦研吾撮影
斎藤幸平・東京大准教授=三浦研吾撮影

 ドイツ・ハンブルクでの1年間の研究滞在も終わりを迎えた。あっという間であったが、名残惜しいとすれば、夏の涼しさだろう。7月下旬の週は最高気温が30度ほどで、朝晩は肌寒い。日本の連日の猛暑日との違いはあまりにも大きい。

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贅沢品になりつつあるアイス

 そんなドイツ人の夏の楽しみは、朝市である。小学校の送り迎えに合わせて、親たちは、コーヒーを飲んだり、夕食の買い物をしたり。冬は寒すぎてゆっくりできないので、朝市は、夏限定の地元の社交の場なのである。

 けれども、そんな朝市ができなくなるのではないか、とドイツ人は心配している。暑くなりすぎている夏のせいだ。7月頭には、フランスで40度を超える暑さとなり、学校が休校になり、原子力発電所が稼働停止になるなどの影響が出た。その時は、ハンブルクも35度くらいになり、朝から暑かった。しかも、午後10時くらいまで日が出ているので、なかなか気温が下がらない。

 じゃあ市場でアイスでも食べようかと言いたいところだが、そんなアイスも贅沢(ぜいたく)品になりつつある。ハンブルクの店だと、1スクープ(ひとすくい)で2・5ユーロ(約400円)くらいする。2スクープで5ユーロ(約800円)。うちは子どもが2人いるから1600円ほど。結構高い。

 実際、ベルリンでは、貧困層がアイスを買えずに問題になっているという。ドイツの環境政党「緑の党」は貧困層には1スクープ50セント(約80円)にするよ…

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