自民党高知県連は3日、徳島・高知選挙区で党公認候補が敗れた参院選の総括会議を高知市で開いた。終了後の記者会見で、参院選直後の7月21日、役員6人が連名で「石破茂総裁(首相)は早期に退陣すべき」とする文書を公表したことについて、名を連ねた県連副会長の尾崎正直衆院議員(高知2区)は「文書は緊急役員会に出席したメンバーの決議だ」と述べ、県連としての正式の決定ではないと説明した。
一方、会見にオンラインで出席した県連会長で防衛相の中谷元衆院議員(同1区)も「県連の正式な機関決定を経ておらず、役員6人の申し入れという認識だ」と述べた。
文書をまとめた経緯について、尾崎氏は「石破首相が、開票が終わる前に続投表明をされたのは、民意にかかわらずに続投するということにつながりかねないと感じた。選挙結果を重く受け止め、民意を反映すべきだというメッセージを速やかに出すべきだと、緊急役員会出席者一同で決めた」と説明。今後の具体的な行動については「意見を公表したことで効果は出ている」として、現段階で党本部に申し入れる予定はないことを示唆した。
一方、中谷氏は「私は石破内閣の一員であり、石破首相が続投に意欲を示している以上は、今後とも内閣を支えていく」と述べ、県連の6人とは意見が異なることを明確にした。尾崎氏は「現職閣僚という立場もあり、中谷氏に迷惑がかからないよう、決議には参加してもらわなかった。総括会議では県連一丸となって組織の立て直しに取り組むことを確認しており、『内紛』などということは全くない」と述べ、組織内の意見の相違に特に問題はないと強調した。
総括会議には、高知県内の自民党支部役員など約150人が出席。選挙で敗れた大石宗氏らがあいさつした。出席者からは「県連役員の首相退陣要求を支持する」との声が上がった一方で、「首相を交代させて済む問題ではない」との意見も出されたという。【小林理】
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