水田にひび 「神頼みしか…」 猛暑と異常少雨で異例の雨乞い 鳥取

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梨農家を代表して参拝する琴浦梨生産部長の藤井憲人さん=鳥取県倉吉市越殿町の同栄神社で2025年7月31日午後6時43分、山田泰正撮影 拡大
梨農家を代表して参拝する琴浦梨生産部長の藤井憲人さん=鳥取県倉吉市越殿町の同栄神社で2025年7月31日午後6時43分、山田泰正撮影

 記録的な猛暑と異常な少雨で農作物に深刻な影響が出ているとして、鳥取県中部を営業エリアとするJA鳥取中央(鳥取県倉吉市)は7月31日、本所敷地内にある同栄(どうえい)神社で雨乞い神事を行った。北栄町の和太鼓集団「北条デューン」(山根雄一代表)が「北条砂丘太鼓」を奉納演奏し、参加した生産者らは恵みの雨を期待して祈りをささげた。

 鳥取県内では梅雨明け以降、本格的な降雨がなく、気象庁の観測によると、倉吉市の7月の月間降水量は22ミリと平年の1割ほど。農家からは「水田がひび割れ、出穂期を迎える稲が枯れそう」「雨が降らず、梨やブドウの実が太らない」などの切実な訴えが寄せられ、「神頼みしかない」と急きょ開催を決めた。同JAが主体となって雨乞い神事を行うのは1998年の発足以来、初めてのことという。

神前で披露された北条デューンの奉納太鼓=鳥取県倉吉市越殿町のJA鳥取中央本所で2025年7月31日午後6時52分、山田泰正撮影 拡大
神前で披露された北条デューンの奉納太鼓=鳥取県倉吉市越殿町のJA鳥取中央本所で2025年7月31日午後6時52分、山田泰正撮影

 神事には同JAの職員や生産者ら約70人が参加。神前にはまもなく出荷が本格化する二十世紀梨が供えられ、近くの倉吉八幡宮の祢宜(ねぎ)、会見(あいみ)紗緒理さんが「天の助力で雨の恵みを授けてほしい」との祝詞を上げた。梨農家を代表して藤井憲人・琴浦梨生産部長が玉串をささげた。

 同JAの河野寿一参事は「猛暑と水不足で農家の人、作物、家畜に大きな影響が出ている。この神事をきっかけに雨が降ってくれたら。消費者の皆さんには、苦境の中で農家が育てた作物を手に取っていただけたらうれしい」と話した。【山田泰正】

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