ネット証券大手、口座乗っ取り被害に半額補償 業界内で対応分かれる

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認証方法の強化を伝える楽天証券のウェブサイト=竹地広憲撮影 拡大
認証方法の強化を伝える楽天証券のウェブサイト=竹地広憲撮影

 証券会社の顧客口座が不正アクセスで乗っ取られ株式を勝手に売買された問題で、インターネット証券大手のSBI証券と楽天証券、松井証券は25日、原則として顧客の被害額の50%を金銭補償すると発表した。顧客が意図しない株式が買われて生じた被害額を想定。SBIと楽天は一律1万円の見舞金も支払う。

 野村証券など営業員の対応が中心の大手証券5社は、顧客に過失がない場合、勝手に売却された株式を買い戻して返還する方針をとっており、ネット証券と対応が分かれた。

 SBIと楽天によると、サイバー攻撃などによる会社側からの顧客情報の流出はなく、顧客が証券会社を装ったウェブサイトに誘導されてIDやパスワードを盗まれたり、顧客のパソコンに悪意のあるソフトウエアを仕込まれ情報を盗まれたりしている。

 口座ログイン時にパスワードだけでなく顔や指紋など複数の認証方法を組み合わせる「多要素認証」を任意で導入していたことを理由に、顧客側にも一定程度の責任があるとした形だ。

 今回の不正取引を巡り、被害に遭ったSBIの利用者が被害相当分の金融商品の返還を求める訴訟を東京地裁に提起するなどしており、補償の方法が問題となる恐れがある。

 金融庁によると、1~6月の不正取引件数は計7139件。売買を合わせた不正取引額は約5700億円を超えている。【秋丸生帆】

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