変革の時代、リーダーの役割は 経営者イノベーション委員会で議論

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経営者イノベーション・ラウンドテーブルで意見を交わす参加者たち=東京都千代田区の神田明神文化交流館で2025年8月4日午後4時38分、渡部直樹撮影 拡大
経営者イノベーション・ラウンドテーブルで意見を交わす参加者たち=東京都千代田区の神田明神文化交流館で2025年8月4日午後4時38分、渡部直樹撮影

 イノベーションを産官学で共創するエコシステム(生態系)の構築を目指し、各業界を代表する企業や有識者でつくる「経営者イノベーション委員会」は4日、東京都千代田区の神田明神の施設で、メンバーが一堂に会しテーマに沿って議論する「経営者イノベーション・ラウンドテーブル」を開催した。約20社の役員や大学教授ら41人が参加。変革におけるリーダーの役割などについて意見を交わした。活動の普及と優れた取り組みを実践する企業の顕彰を目的に「システマティック・イノベーション経営賞」を創設することも合わせて発表された。

 経営者イノベーション委員会は、紺野登・多摩大大学院名誉教授(経営情報学)らの呼びかけで今年4月に設立。三井住友フィナンシャルグループや富士通、日本たばこ産業(JT)、ダイキン工業、東急、三菱地所、三菱重工などが参加する。ラウンドテーブルは昨年も同様のメンバーで開催したが、今年は同委員会によるイベントとして実施した。

 紺野氏らは冒頭、米国の関税で自由貿易体制が揺らぎ、気候変動も深刻化する中、単なる技術革新にとどまらず社会や地球規模の課題解決につなげるシステムのイノベーションが必要と訴えた。その後参加者らは四つのテーブルに分かれ、「競争から価値創造へルールをどう変えるか」といったテーマで議論。経済産業省や文部科学省の幹部も出席し、「企業活動でさまざまな制約がある中、変化を良いことと捉えることが重要」「社会のためにどの会社と連携すればいいか考えることが、エコシステムに結びつくのでは」など活発に意見が交わされた。

 「システマティック・イノベーション経営賞」を創設することも発表。国際標準化機構(ISO)により昨年9月発行されたイノベーション・マネジメントシステムの国際規格「ISO56001」などを参考に、企業単体の利益追求だけでなく、社会課題の解決や新たな社会的価値に挑戦する企業、経営者らを表彰する予定で、同委員会メンバーらによる審査を経て来年2月に第1回の表彰式を実施する計画だ。

 紺野氏は「このラウンドテーブルで話し合われた方針に沿って、具体的な分野などをさらに深掘りするラウンドテーブルもつくっていきたい」と話している。【桐野耕一】

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