俳優・福原遥(26)がNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」(総合、日曜、後8・00)で清純なイメージを覆す当代一の花魁・誰袖(たがそで)として、妖麗な存在感を放っている。長年の目標だった時代劇&大河ドラマ初出演を果たし、新たな魅力を発揮。このほど、デイリースポーツなどの取材に応じ「自分とは真逆」という女性として生きた江戸での日々を振り返った。
大役を全うし、既にクランクアップした中、福原の中に思い浮かぶのは意外にも「力不足」という言葉だった。「全てが本当に学びでしたし、それと同時に本当に自分の力のなさを痛感した」。憧れの舞台だったからこそ、悔しさが残った。
男性を魅了し続ける花魁という特殊な職業。俳優としての自分自身とイメージが乖離している自覚もあった。「自分がまさか花魁役って、今まで本当にやったことのない女性だったので。まず自分が花魁役をできるのかってところから緊張しながら不安でいた」という。
自身もファンをメロメロにしているのでは?と問われると「いやいやあんな感じではできないです!」と苦笑。なりきるため、歩き方からしゃがみ方は日常的に「気にして過ごしていた」とし、キセルや花魁道中のげたも自宅に持ち帰り、動作や所作の練習を欠かさなかった。「頑張って色気だったりキュートさミステリアスさとか誰袖の魅力を出せたらなと思いながらやってました」。
不安を吐露した一方で、作中では数々の男性を見事に誘惑。誰袖から色仕掛けをされた松前廣年役のひょうろくは、役を抜け「本当にドキドキしてしまった」と振り返っていたが、同シーンを福原は「私も撮影入ってすぐぐらいですっごく緊張していたんですけど、ひょうろくさんもそれ以上に緊張していて。もう2人でガチガチになりながら撮影していた印象がありますね」と思わず笑みを浮かべながら回想した。
小悪魔的な花魁としての一面だけでなく、思いを寄せる田沼意知(宮沢氷魚)には猛アプローチをかけるなど誰よりもピュアで人間味あふれる役柄だった。「とにかく誰よりも猪突猛進で周りが見えない女性」とし、「自分とは真逆」と分析した福原もそんな誰袖のとりこになっている。
「こんな魅力的な女性を演じられて幸せだなって思いながら、とにかく楽しくお芝居させていただいた。すごく肝が据わってるというか、突き進むたくましさが本当に格好良くて、でもすごくピュアでかわいらしい部分もたくさんあって。演じててもすごく愛情が湧いてくるような、すごく魅力的な女性だったので、自分もこんな格好良い女性になりたいなと思いながらやってました」
この日放送された第29回では、意知が亡くなって失意の底にいた中、兄のように慕う主人公・蔦屋重三郎(横浜流星)が仇討ちのために作成した黄表紙を見て、再び笑顔を取り戻した。
福原自身は「力不足」と厳しく自己評価したものの俳優キャリアにおいて大河出演の収穫が大きいことは事実。「お稽古も続けていきながら、もっともっと勉強して自分にまた力をつけていつかまたやれたら良いなって思いますね」。誰袖として喜怒哀楽全てを体現した日々も糧にさらなる飛躍を誓った。
「べらぼう」福原遥 花魁役は「まさか自分が」 熱演も厳しく自己評価「力不足」ひょうろくへの色仕掛けは苦笑「2人でガチガチ」
I want to comment
◎Welcome to participate in the discussion, please express your views and exchange your opinions here.
Comments