「オール京都で水確保」 猛暑で渇水、下水処理水を異例の農業活用へ

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強い日差しが照りつける日本列島=嶋野雅明撮影 拡大
強い日差しが照りつける日本列島=嶋野雅明撮影

 連日の猛暑と少雨による渇水で、京都府北部を中心に水稲や果樹、野菜などの農産物に被害が出ている。こうした事態を受け、府は宮津市にある下水処理場「宮津湾浄化センター」の放流水を農業用水に転用する取り組みを5日に始める。通常は河川に放流する処理水を巨大な水槽にため、渇水地域の水田などに注入する極めて異例の対応という。

 府によると、府北部地域では7月の降水量が少なく、間人(京丹後市)や峰山(同)、舞鶴(舞鶴市)では平年の約1割だった。今後も気温の高い日が続き、降水の少ない状況もしばらく続くと見込まれている。そうした地域などでは、水稲の変色や、ほ場のひび割れが発生。野菜の生育の遅れや、豆類の発芽不良などの被害が出ているという。

 府は渇水に素早く対応しようと、浄化センターの放流水を一時的に農業用水に活用する策をとることにした。貯留に必要な水槽(5000リットル)を水産事務所から借り受け、水槽にためた放流水を碇高原牧場(京丹後市)のトラックを使って輸送。渇水地域の水田に注入して回るなど「今までやったことのない」(府)取り組みでしのぐ。

 府は4日夕、緊急の対策会議を開き、こうした対応を確認した。西脇隆俊知事は「特に水稲の生育にとって非常に重要な時期。オール京都体制で水確保を」と強調した。【久保聡】

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