仙台育英・吉川は「天性の勝負根性」 バレー一家育ち 夏の甲子園

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【仙台育英-鳥取城北】力投する仙台育英の先発・吉川=阪神甲子園球場で2025年8月6日、藤井達也撮影 拡大
【仙台育英-鳥取城北】力投する仙台育英の先発・吉川=阪神甲子園球場で2025年8月6日、藤井達也撮影

高校野球・夏の甲子園1回戦(6日)

○仙台育英(宮城)5―0鳥取城北(鳥取)●

 2年ぶりに聖地に戻ってきた仙台育英は、両親譲りの「天性の勝負根性」を持つエース左腕・吉川陽大(あきひろ)が、今大会の完封一番乗りを果たした。

シドニー五輪のアジア地区予選を兼ねた世界最終予選・クロアチア戦でボールをつなぐ津雲博子さん(中央)=東京体育館で2000年6月24日、岩下幸一郎撮影 拡大
シドニー五輪のアジア地区予選を兼ねた世界最終予選・クロアチア戦でボールをつなぐ津雲博子さん(中央)=東京体育館で2000年6月24日、岩下幸一郎撮影

 九回、1死から鳥取城北の4番・平山暖也(はるや)に右越え二塁打を許したが、次の打者を右飛に打ち取り、最後は相手の代打から、変化球でこの日12個目の三振を奪って試合を締めた。終始、冷静な表情を崩さなかった。

 この日は140キロ台の直球に、スライダーなど変化球の切れ味が抜群だった。その鋭さに相手も舌を巻いた。鳥取城北の2番・赤松響は一回にチーム初安打を放ったものの、その後は3打席連続で三振に終わり、「スライダーは一回ポンと浮いて、甘いと思ったら手元でキリリと落ちてくる感じ」と語った。

 吉川の母博子さん(旧姓・津雲)は元女子バレーボール選手で、日本代表のリベロとして活躍。世界大会で個人タイトルを獲得し「世界ナンバーワンリベロ」と称された。

NEC女子監督時代の吉川正博さん=大阪府立体育館で1997年5月5日撮影 拡大
NEC女子監督時代の吉川正博さん=大阪府立体育館で1997年5月5日撮影

 父正博さんも女子日本代表監督などを務めた。勝負の世界で生きてきた両親からは、悪い時も前に進めるような声かけをもらってきた。

 須江航監督は「天性の勝負根性を持っている。ココイチ(ここ一番)で歯を食いしばれる投手」と信頼を置く。

 両親の影響で幼い頃にバレーをやっていた経験はプレーにも生きている。この日はカーブを使うことで、カウントを有利に進めることができた。投球の幅を広げようと今年から投げるようになったが、「上からたたき下ろすように、アタックをイメージしている」と話す。

 仙台育英が強力な投手陣を擁して初優勝を果たした3年前の夏の映像を何度も見ては、自分の学びにしている。初の甲子園で完封勝利を挙げても、「今日の投球は70点」と表情は緩めない。4四死球など反省点を挙げ、「夢の舞台だからこそ、いい投球をしていきたい」。再び頂点を目指すチームのエースは頼もしい。【円谷美晶】

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