ダンロップタイヤ 独禁法違反疑い 広告に大谷選手起用の商品

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公正取引委員会の看板。公正取引委員会などが入る中央合同庁舎第6号館B・C棟で=東京都千代田区霞が関で2019年、本橋和夫撮影 拡大
公正取引委員会の看板。公正取引委員会などが入る中央合同庁舎第6号館B・C棟で=東京都千代田区霞が関で2019年、本橋和夫撮影

 「DUNLOP(ダンロップ)」ブランドの自動車タイヤを取り扱う小売業者に対し、販売時に値引きしないよう要請したのは独占禁止法違反(再販売価格の拘束)の疑いがあるとして、公正取引委員会は6日、大手タイヤメーカー・住友ゴム工業の子会社、ダンロップタイヤ(東京都江東区)に独禁法の確約手続きを適用した。行政処分の一つで、公取委は問題行為の解消と再発防止を図る自主的な改善計画を認定し、その履行状況を監視する。

 処分の前提となったのは、「シンクロウェザー」という商品名のオールシーズン(全天候)タイヤの販売を巡る行為。常用のサマータイヤと雪道用のスタッドレスタイヤの性能を兼ね備える次世代タイヤとされ、住友ゴム工業が製造、ダンロップタイヤが販売を手掛けている。

 主力商品と位置づけられており、投打の「二刀流」で活躍する米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手を広告塔に起用。「このタイヤ、何刀流だ。」とのキャッチコピーで、宣伝活動を大々的に展開していた。

 公取委によると、ダンロップタイヤは2024年10月ごろから25年4月ごろまでの間、シンクロウェザーを取り扱う自動車用品店などの小売業者に対し、販売時に同社設定の希望小売価格で販売するよう要請したり、購入者へのポイント付与や配送・タイヤ交換の無料サービスといった実質的な割引を行わないよう求めたりしたという。

 同社はシンクロウェザーについて「認定店」制度を導入し、取り扱いを希望する小売業者に同社主催の研修の受講や、商品の機能・価値の理解度を判定する認定試験を課していた。値引きなどを把握した際には取りやめを要請し、従わない場合は出荷停止や「認定店」取り消しを示唆。同社は4月ごろ、こうした行為を公取委に自主申告した。

 公取委は、大谷選手を広告塔に起用するなど、高級感のある商品イメージ作り、主力商品としての拡販を目指す会社全体の意識が問題行為につながったとみている模様だ。一方、自主的な改善が見込めるとの判断から、確約手続きを適用した。

 確約手続きは公取委と事業者との合意によって早期の是正を図る行政処分。事業者は問題行為の解消や再発防止を「確約」するのと引き換えに、法令違反の認定と排除措置命令などを免除される。【山田豊】

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