HANAが急成長した理由とは デビューからの7か月で感じた変化…分かってきた「周りからの見られ方」【インタビュー連載最終回】

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メンバー7人に聞いた「今の思い」

 7人組ガールズグループのHANAが、7月14日に2ndシングル『Blue Jeans』をデジタルリリースした。HANAは1月に『Drop』でプレデビュー。2月にMVが公開されると半日で再生回数が100万回を超えた。4月に1stシングル『ROSE』でメジャーデビューした際には、オリコン週間ストリーミングランキングやBillboard JAPAN 総合ソング・チャートで初登場1位。そして、『Blue Jeans』は、これまでの音色とは違うラブソングで、同16日にはCDもリリースとなった。オーディション合格者による結成から7か月。ENCOUNTは快進撃のHANAをインタビュー。7人の話を個々に聞き、グループが急成長した理由が見えてきた。(取材・文=コティマム)

 HANAはラッパーのSKY-HIがCEOを務めるBMSG初のガールズグループオーディション『No No Girls』から誕生した。プロデューサーにラッパーでシンガーのちゃんみなを迎え、これまでに突きつけられてきた「No」と闘い、殻を破ったCHIKA、NAOKO、JISOO、YURI、MOMOKA、KOHARU、 MAHINAがメンバーに選ばれた。

『No No Girls』時代、7人は“デビュー”という夢を持ちながらも、それぞれがコンプレックスを抱えた女の子だった。ルックスや歌唱スタイル、才能など、何らかに対して「No」を突きつけられたり、全てを抱え込むクセがついていたり、感情を表に出さずに生きてきた参加者たちが、自分の「No」と向き合い克服していくオーディションだった。

 5歳から歌唱やダンス経験を積みパワフルな歌声を持つCHIKAは、周囲を圧倒する歌唱力を持ちながらも、過去にデビューがつかめなかったことで自信を失っていた。オーディション中はちゃんみなから「いい加減にしろ。自信のない感じはもうここまで」と叱咤された。完璧主義で周囲に頼れなかったJISOOや、学生時代に父親を亡くしてから感情を表に出せなくなったYURI、ダンサー一家に生まれ、卓越したスキルを持ちながらも「自分で自分を否定していた」と話すKOHARU、ラップ未経験で1度は次の審査に進めなかったMAHINAら、それぞれが「No」を抱えていた。

 だが、オーディションが進むにつれ、それぞれが「No」を突き返せるようになった。さらにちゃんみなは「強さ」だけを身につけるのではなく、「相手を導いていける存在になるように」と伝えていた。

 ENCOUNTは、今年1月にもプレデビュー直後のHANAをインタビューした。あれから7か月。再び対じしたメンバーの言葉、表情、雰囲気からも進化と成長が感じ取れた。

 オーディション時にちゃんみなから「詰めの甘さ」を指摘されていたMOMOKAは実感を込めて言った。

「『周りからこう見られている』みたいなのもやっと分かってきて、順応というか、対応できるようになりました。自分の考えが追いついてきたように思います」

 楽曲との向き合い方も、曲のイメージや世界観に入れるようにプライベートで聴く音楽や見る映画を楽曲に合わせているという。

『Blue Jeans』は、HANA初となるラブソング。MOMOKAが得意とするヒップホップ楽曲ではないことから、「R&Bに近いメロウ系のラップをよく聴くようにして、自分の中でマインドや歌い方の調節をしました。レコーディング前の期間は『恋の曲を多く聴いてみよう』『恋する映画やアニメも見てみよう』と思いながら過ごしていました」と、プロとして楽曲に向き合ったことを振り返った。

 デビュー以降、大きな内面の変化が見られたのがNAOKOだ。彼女は『No No Girls』時代からすでに、ボーカルもダンスもラップも抜きん出たスキルを身につけていた実力派。ちゃんみなからは「実力の暴力」「モンスターになれる」「化け物コース」とその才能を称賛されてきた。ファンも、デビュー前から「NAOKOなら安心できる。やってくれる」という期待感を持っていたかもしれない。しかし、NAOKOはこの半年間で「私ってちゃんといろんな自分があるんだな」「自分に腹が立ったり、悔しい思いがあふれたりすることが増えてきました」と振り返った。聞くと、「実力の暴力」や「化け物コース」といった言葉を自分に言い聞かせてきたことが、逆にプレッシャーになったのだという。

「これまで、『どれだけ練習して成果が出ているか』がすごく重要でした。『失敗できない』と思っているので、頑張った分、ちょっと悔しいことがあったり、心の中でモヤモヤしたりした時に、反省が続いて悔しくなって」

 これまで“完璧”を当たり前とされてきたNAOKOが明かす弱さからは、リアルな人間らしさが感じられる。こうした葛藤や悩む過程についても、「それも自分だな」と思えるようになったという。

 また、メンバー内では個人同士で深く時間を過ごすことを意識していた。JISOOはYURIやMOMOKAと食事やテーマパークに行ったといい、これまで以上に個人間の交流を増やしているという。YURIについては、ちゃんみなから「気まずい空気をわざと作りなさい」とアドバイスされたことで、7人で正直な気持ちを伝え合う時間を確保していると明かした。もちろん、自分が気を付けなければいけない点をメンバーから指摘されることもあるが、それもプラスに捉えていた。

「そういう時間を通して、すごく信頼関係が変わってきていると思います」

内面の進化で表現できる『Blue Jeans』

『Blue Jeans』は、突きつけられてきた「No」への抵抗や「強さ」を打ち出してきたこれまでの楽曲とは雰囲気が全く違う。“完璧な子たち”が周りにいる中で、「好きな人が自分を選んでくれた」と表現する楽曲だ。ラブソングだが、これまで選ばれてこなかった7人だけに、「選んでもらえる喜びを知った」とする詞の内容が、聴く側を温かい気持ちにさせてくれる。そして、UKサウンドを思わせるミッドバラードのメロディーの中で、力強い歌声が持ち味のCHIKAは落ち着いた雰囲気で声を響かせ、リスナーに「こんな歌い方もできるのか」と思わせるような表現をしている。また、KOHARUが「独り言を言うように意識しました」、MOMOKAも「優しいトーンのさわやかなラップをしようと思いました」と語ったように、『Blue Jeans』はメンバー各々が意識も内面も進化したからこそ、表現できる楽曲なのかもしれない。

 NAOKOはこれからのHANAについて、「目標はシークレット」としつつも、「もっとたくさん人に直接会って、笑顔になる瞬間を増やしたいです」と言い、未来を思い描いた。

□HANA オーディション番組『No No Girls』で約7000人から誕生。CHIKA、 NAOKO、 JISOO、YURI、MOMOKA、KOHARU、MAHINAの7人組ガールズグループ。候補者はルックス、体型、声や歌唱スタイルなどに「No」を突き付けられてきた経験があるが、期間を通して殻を破っていった。今年1月にプレデビュー曲『Drop』をリリースし、4月に『ROSE』でメジャーデビュー。7月16日に2ndシングル『Blue Jeans』をリリース。『オリコン上半期ランキング2025』では『アーティスト別セールス部門』の『新人ランキング』にて、女性アーティストとしての歴代最高週間再生数で1位を獲得した。コティマム

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