もしかしたら作中で「一番最低」かも
2025年7月18日から大ヒット公開中の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(原作:吾峠呼世晴)では、「鬼殺隊」側、鬼側ともに、さまざまなキャラの場面が話題になっています。それぞれに印象的な見せ場があるなかで、出番自体は少ないとあるキャラに関して、「絶対に許せない」とさまざまな怒りの声が出ていました。
※この記事では『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』のネタバレを含みます。
第一章では「上弦の弐」の鬼「童磨」や、新しく「上弦の陸」になった「獪岳」が登場し、非道な言動を繰り返しましたが、後半ではそんな鬼たちを上回るほどの「最低な人間」が出てきています。それは鬼のなかでもトップクラスの人気を誇る、「上弦の参」の「猗窩座」に関連する人物でした。
映画の終盤では、江戸時代の猗窩座が鬼になるまでの過去回想が描かれています。人間時代は「狛治」という名前だった彼は、病弱な父の薬代を稼ぐためにスリを繰り返して罪人の刺青を彫られ、父は息子に盗みをさせた自責の念で自殺してしまいました。その後、江戸を追われ自暴自棄になって暴れていた狛治は、「素流」という武術の道場を営む男「慶蔵」に出会い、病に伏せる彼の娘「恋雪」の世話をするようになります。
やがて狛治と恋雪は恋仲になり、結婚して道場を継ぐはずだったのですが、恋雪のことが好きだった隣接する剣術道場の跡取り息子が井戸に毒を入れ、慶蔵と恋雪は殺されてしまいました。復讐にかられた狛治は、跡取り息子ふくむ隣の道場の門下生67名を拳だけで惨殺し、その後に事件のうわさを聞いてやってきた鬼の始祖「鬼舞辻無惨」と出くわして、鬼にされたのです。
狛治たちの幸せをぶち壊しただけでなく、「煉獄杏寿郎」ほかたくさんの人びとを殺した鬼、猗窩座誕生の原因を作った上記の跡取り息子に対して、ネット上では「鬼たちには同情の余地あると思ってるけど、こいつだけは絶対に許せない」「ただ最低なだけじゃなくて行動が短絡的っていうか、全体的に杜撰。毒入れる現場の目撃者まで出てるし」「猗窩座誕生の全ての元凶、性根だけなら無惨レベルの本物のクズ」「登場人物のなかで一番救いようがないのはコイツだと思ってる」と、容赦のないコメントが相次いでいました。
隣の剣術道場はもともと慶蔵が老人を助けて譲り受けた道場と土地を欲しがっており、以前から嫌がらせをしていたことが語られています。また、猗窩座の過去編が収録された原作マンガ18巻には、吾峠呼先生の直筆で本編では描かれていない「設定こぼれ話」が書かれており、そこにはさらに跡取り息子のことが嫌いになりそうな情報が多数載っていました。
内容をまとめると
「跡取り息子はあるとき恋雪を無理やり外に連れ出し、彼女がぜん息の発作で苦しむと怖くなり放置して逃げた」
「上記の事件がきっかけで素流道場との試合が行われ、ひとりで9人を倒した狛治が今後恋雪と関わらないように言うと、跡取り息子は取り乱して真剣で斬りかかり、その刀を拳で折られた」
「当時の道場主は狛治の技に感動して嫌がらせをやめたが、道場主が亡くなった後、恋雪と狛治の結婚の話を聞いた跡取り息子が、周りの門下生の焚き付けもあって素流道場の井戸に毒を入れた」
など、彼がかなり悪質かつ卑怯な性格であることが語られています。
この「設定こぼれ話」の部分は、今回の劇場版では映像化されていません。ただ、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』がTVアニメとして放送されたときのように、今後新規カットも加わった『猗窩座再来』のエピソードがTV放送されることがあれば、上記の話もアニメ化される可能性は高いでしょう。
跡取り息子は最低な人物ながら、顔自体はなかなかの美青年として描かれています。今後彼がしゃべるシーンも映像化された場合、『鬼滅の刃』らしく豪華声優が起用されると思われますが、いったい誰が担当するのか要注目です。
※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記
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