綾瀬はるか(40)が、2022年4月期の「元彼の遺言状」(フジテレビ系)以来、約3年ぶりに主演を務めた「ひとりでしにたい」(NHK)が2日に最終話を迎えた。
オンエア前、30代後半の独身女性の終活を綾瀬が演じるということで大いに話題になったが、視聴率的には微妙な結果に終わり、関係者からはため息交じりの声が聞こえてくる。
6月21日の初回こそ世帯5.8%と頑張ったものの、後半にかけて右肩下がり。全6話の平均視聴率は5.6%という残念な数字に終わった(いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)。
「同名タイトルの人気漫画が原作ですが、固定ファンの他に“土曜ドラマ”枠の、土曜夜10時に在宅率が高い30代後半から40代前半の女性層にはドンピシャの物語ですから、NHK幹部の期待はいやが上にも高まった。しかも“日本一のコメディエンヌ”の綾瀬を起用し、孤独死や結婚、介護、終活といったテーマに取り組んだわけですからね。それが不発に終わり、NHKとしては忸怩たる思いでしょう」(テレビ関係者)
また別の関係者は「『ひとりで〜』は同じNHKの夜10時枠で、22年4月期に放送された『正直不動産』が記録した8%台の視聴率を意識していたとも言われています。好視聴率を記録すれば、『正直〜』同様に続編、劇場版への展開も視野に入っていたとも言われていますが、残念ながら“捕らぬたぬきの皮算用”となったようですね」とも言う。
綾瀬が約3年ぶりに選び抜いて挑んだ作品のこの微妙な結果は、一体何を暗示しているのだろうか。
「綾瀬では数字が取れなくなっている……と囁かれるようになったのは、22年夏ごろからでしょうか。21年1月期のTBS系日曜劇場『天国と地獄〜サイコな2人〜』をピークに、視聴率も興行収入も低迷状態が続いているのが現実です。フジ系『元彼の遺言状』も原作に高い人気があったにもかかわらず、視聴率は消化不良でした。23年8月公開の映画『リボルバー・リリー』も、自身の代表作にしたいと、過酷なアクションシーンにも体がアザだらけになるほどレッスンして挑んだ作品でしたが、公開中の映画館が観客であふれ返ることはありませんでした。綾瀬にしてみれば、11歳下のジェシーに巡り合った記念作品は、仕事の実績としては黒歴史のひとつになってしまったというわけです……」(芸能関係者)
これまで芸能界で唯一無二の存在だった綾瀬に、ここにきて陰りが見え始めている。
「『ひとりでしにたい』は綾瀬が最も得意とするコメディー作品。にもかかわらず、30代後半から40代前半の女性視聴者の支持を広げられなかったのは致命的と言えるでしょうね。国民的女優として愛されるには、幅広い女性層の支持が必要です。最近のプライベートな結婚や恋愛問題も含め、今の綾瀬は、大きな岐路に立たされていると言えるでしょう」(前出の芸能関係者)
問題は、この閉塞した状況をどう打開していくかだろう。
「今後の綾瀬は、女優として、主役以外のポジションで、どう存在感をアピールしていくのかが課題になっていくでしょうね。自分より一回りも二回りも若い女優たちの脇で、大事な端役をしっかり務めることができるのか。自分のプライドをどこまで捨てられるのか……。周りが考えるほど簡単ではない高い壁を、どうやって乗り越えていくのかが、今後数年間の大きな課題となるでしょうね」(芸能プロダクション関係者)
女優として、女性として、綾瀬が大きな分岐点に立たされているのは間違いなさそうだ。
(芋澤貞雄/芸能ジャーナリスト)
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