前線や低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、九州北部を中心に非常に激しい雨が降り、気象庁は10日、福岡と山口両県で線状降水帯が発生したと発表した。11日も山口、福岡、佐賀、長崎、大分、熊本の各県で朝にかけて、宮崎、鹿児島両県で昼にかけて線状降水帯が発生し、災害発生の危険度が急激に高まる可能性があるとして警戒を呼びかけている。
大雨の影響で、各地で土砂崩れや浸水などが発生。山口県阿武町では、国道を走っていた軽乗用車が崩れた土砂と接触し、70代の男性運転手が鼻を打撲する軽傷を負った。交通にも影響が出て、山陽新幹線は10日午後1時半から広島―博多間の上下線で運転を取りやめた。九州新幹線も一部が運休した。
福岡県では、線状降水帯が9日深夜に続いて発生。10日午後6時現在の24時間雨量は、福岡県宗像市で412・0ミリ、福岡市西区の小呂島で381・5ミリを観測。九州北部や山口ではほかに、山口県下関市で366・0ミリ、長崎県壱岐市で354・0ミリを観測し、いずれも観測史上1位を更新した。
前線は、12日にかけて西日本から東北地方へ延びて停滞する見込み。11日午後6時までに予想される24時間雨量は多いところで、四国300ミリ▽東海、九州南部250ミリ▽関東甲信、九州北部200ミリ▽近畿180ミリ▽中国150ミリ▽北陸100ミリ▽東北80ミリ――となっている。【宗岡敬介、栗栖由喜、脇山隆俊】
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