67年ぶりの甲子園アルプスに 82歳の魚津元選手が未来富山に声援

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メガホンをたたきながらアルプススタンドで応援する鶴見瑞夫さん=阪神甲子園球場で2025年8月11日午後2時18分、矢倉健次撮影 拡大
メガホンをたたきながらアルプススタンドで応援する鶴見瑞夫さん=阪神甲子園球場で2025年8月11日午後2時18分、矢倉健次撮影

 「魚津から来た選手たちよくやった」。11日にあった第107回全国高校野球選手権の初戦の2回戦に登場した未来富山は富山県魚津市の学校として66年ぶりに甲子園を戦った。アルプススタンドでは、当時魚津の選手だった鶴見瑞夫さん(82)がメガホンをたたいて声援を送った。

 魚津は67年前の第40回記念大会で甲子園初出場。翌年の第41回大会にも出場したが、それが魚津市の学校としては最後の出場だ。

 第40回大会では、それまで富山勢は甲子園で通算2勝だったが、エース村椿輝雄投手の活躍で3勝を挙げる快進撃を見せ「蜃気楼(しんきろう)旋風」と呼ばれた。後にプロ野球・中日やタレントとして活躍した板東英二投手を擁した徳島商との準々決勝は延長十八回の末、0―0の引き分け。初の引き分け再試合となり、甲子園の歴史に刻まれている。

 1年生部員だった鶴見さんは、この試合をスタンドから応援。「試合途中からナイターになり、見たこともない景色が広がってきれいだなと思った」という。翌日の再試合は1―3で敗れたが、「次は絶対自分たちが、ここに戻ってくる」という思いを強くした。

 翌年も魚津は地方大会を勝ち抜いて2年連続出場。鶴見さんは2年生ながら三塁手として出場し、1回戦で平安(京都)に敗れたが1安打を放った。

 今も魚津市在住の鶴見さん。この日、未来富山は高川学園(山口)に敗れたが、「高校卒業後、甲子園に野球を見にきたことはあるが、アルプスで応援するのは67年ぶり。魚津の学校なのでいてもたってもいられなかった。また来られるかな」。蜃気楼旋風の再来を夢見ながら笑顔で甲子園を後にした。【矢倉健次】

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