第二次世界大戦の終結から15日で80年を迎えた。日本は二度と戦争を起こさないと誓って平和国家の道を歩み、惨禍を語り継いできた。しかし、先の大戦を直接経験した世代が減り、記憶の継承は難しくなっている。
世界では強国が力によって自国の国益を押し通す流れが強まり、日本が希求してきた世界平和は遠のいている。ウクライナやパレスチナ自治区ガザ地区では戦争が続く。渦中で犠牲になるのは弱い市民だ。
民主主義の土台も揺らいでいる。民主国家をリードしてきた米国では、大統領が強権化を志向し、他国を威圧している。他の民主主義国でも政治不信が増し、排他的、差別的な言動が目立つ。
東アジアで軍事的緊張が増す中、日本は平和主義を掲げるだけでなく、戦争を仕掛けられないように防衛力を高めようとしている。国際秩序作りや平和構築への日本の積極的な関わりを期待する声も上がる。
戦禍に教訓を得て、日本は戦後80年を歩んできた。記憶は薄れつつあるが、未来に伝える努力は続いている。節目の終戦記念日に過去を振り返り、未来への道筋を探った。
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