持ち前の行動力で積極的な「茶の湯外交」を展開、国際平和と日本文化の継承に一生をささげた裏千家十五代家元、千玄室さんが帰らぬ人となった。1951年から海外茶道の普及を始め、60カ国以上を歴訪。日本最大規模の茶道組織を「世界の裏千家」へと導き、「国際茶人」と呼ばれた家元の訃報に、門弟や財界人など多岐にわたる友人らは、大きな悲しみに包まれた。
茶道に生きていこうと決心したのは、戦争が大きな転機になった。学徒出陣し配属された徳島航空隊が特攻基地だったため毎日が死と対面する日々。出撃する戦友のために茶をたてた。この時「生きて帰れたら、茶道を通じてみんなのために働こう」と誓ったという。
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