嵐・松本潤が主演を務める連続ドラマ「日曜劇場『19番目のカルテ』」(TBS系、日曜午後9時)の第2話が27日、放送され、ヤングケアラーをテーマにした重厚なストーリーにさまざまな反響が寄せられた。
「19番目のカルテ」とは?
を診るだけでなく、心や生活背景をもとに患者にとっての最善を見つけ出し、生き方そのものに手を差し伸べる19番目の新領域「総合診療医」を描く医療ドラマ。。松本は、キャリア30年目にして自身初となる医師役で、魚虎総合病院に新設された総合診療科に所属する総合診療医、徳重晃を演じる。
SNS「親や祖父母の介護ってイメージしかなかった」
この日の放送で、心臓に先天性の病気を抱える岡崎咲(黒川晏慈)が救急搬送されてきた。付き添ったのは、兄の拓(杉田雷麟)。咲が生まれてから14年間にわたり主治医を務めてきた小児科長の有松しおり(木村佳乃)は、必死で処置にあたったが、咲を助けることはできなかった。一方、徳重はなぜか兄の拓を気にかける。カンファレンスで咲の容態急変時の様子を気にしたり、彼らの父、浩司(東根作寿英)について調べたりと医師たちから訝しがられるような行動をとり、しおりは、自分の落ち度を探られているのかと感じ、不快感をあらわにした。
しかし徳重は、献身的に咲をケアしてきた拓が、弟のことを常に最優先に考え、自我を押し殺して少年時代を過ごしてきたことを見抜いていた。ある時、公園で熱中症で倒れた拓を、通りがかった徳重が見つけて、病院に運び込んだ。すぐに処置したため大事には至らなかったが、拓はなぜか自分の足で立てなくなってしまった。後日、徳重の問診を受け、拓は咲が生まれてからの経緯を明かした。共働きだった両親から弟の介護を託された彼は、弟への愛情もあって甲斐甲斐しくケアをしてきたが、その負担から高校を中退。両親の仲も険悪になり、ついに母親が家を出て行き、拓の負担はさらに増した。
どこにもぶつける先のない不満やうっぷんを、拓は1人で抱え込み、咲のケアから解放されてホッとした自身を「悪いお兄ちゃん」と責めていた。周囲の誰も、幼いころから弟を世話する彼を見てきたしおりでさえも、そうした彼の苦悩に注意を払う者はいなかった。徳重から、咲のお兄ちゃんではなく、岡崎拓という1人の人間として扱われ、ようやく自我を取り戻し、徳重の前で号泣する拓。徳重は彼が立てなくなったのは心の葛藤がまひなどの神経症状を突然引き起こす「機能性神経症状症」と診断した。整形外科医の滝野みずき(小芝風花)のサポートもあり、回復した拓は、父親とともに新しい人生の一歩を踏み出した。
昨今、ニュースなどでも多く取り上げられるヤングケアラー問題に正面から向き合った物語は、SNSでも話題になり、「子供が子供でいられないってのはつらい」「ようやく社会問題として扱われてきたけどヤングケアラーはずっと前から存在するんだよな」「病気や障害は本人だけでなく周囲の人もケアが必要になる。わかっていてもできないのに認知度も低い…」「ヤングケアラーって親や祖父母の介護ってイメージしかなかったけど、きょうだいのサポートってこともあるんだなと、ハッとした」といった感想が続々と寄せられた。
また、「無責任な親、と言うのは簡単だが、実際にこういう子供がいたら俺も分からない…でも、親は逃げられるけど、子供は逃げられない」「私みたいな年寄りでも親の介護は時々休みたくなる。お母さんが大好きだし誰よりも大切でも、ようやっとそう思えるようになったけど、13年かかった。若い子にはつらすぎる」「ただのヤングケアラーの話というだけでなく、人が亡くなった『後』の話なのと、病気の子を置いて逃げてしまうのが母親、という点でなんかすごいな。なかなかない話だ」との書き込みもあった。
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