見るだけでなく“運転”もできる 鉄道ジオラマお目見え 奈良・五條

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ジオラマ内を走るHOゲージの蒸気機関車=奈良県五條市新町のジオラマ工房Y・Nで2025年8月11日午後1時16分、松田学撮影
ジオラマ内を走るHOゲージの蒸気機関車=奈良県五條市新町のジオラマ工房Y・Nで2025年8月11日午後1時16分、松田学撮影

 古い町家が建ち並ぶ奈良県五條市新町の一角に鉄道ジオラマ(全長3メートル、幅1メートル)がお目見えした。走るミニチュア列車のサイズは鉄道模型で一般的なNゲージより一回り大きいHOゲージ。展示場所は無料開放され、見るだけでなく、“運転”もできる。そんな鉄道ファンの楽園「ジオラマ工房Y・N」を訪ねた。【松田学】

 同市と和歌山県新宮市とを結ぶ計画で建設が進められたものの、途中で頓挫した五新線跡にある城戸(じょうど)駅予定地(五條市西吉野町)の待合室に、鉄道ジオラマは長年置かれていた。工房を営む野口定儀(やすのり)さん(73)=河合町=が3月、これを譲り受けた。同好の士である和歌山県橋本市の中川義隆さん(80)と伊都昇さん(73)の手を借り、レイアウトを元の「日本の田舎」から「アメリカの田舎」へと大改造。それらしい建物やミニカーを配置し、背景画には雄大なロッキー山脈を描いた。野口さんは「身近にある紙や粘土、割り箸、つまようじ、草木を材料に使い、改造費は1万円かかっていない」と言う。駅前にたたずむ旅行者や列車に手を振る子どもらの人形の服装、牧場でのんびりと草をはむ牛といったディテールも丁寧に描き込んだ。

 ジオラマを走るのは4両編成のアメリカの蒸気機関車。本物の列車の運転席にあるようなコントローラーで速度の調節をしたりポイントの切り替えをしたりして自在に動かせ、運転士気分を味わえる。野口さんは「これから列車の本数や建物をもっと増やしていく予定で、子どもが喜びそうな『きかんしゃトーマス号』なんかも走らせたい」。工房内には、希少な鉄道関係のプラモデルやおもちゃ、グッズが所狭しと並べられ、一部は販売もしている。「鉄オタ」なら何時間いても飽きず、大人も童心に帰れる空間だ。

 野口さんは、鉄道好きが高じ、大手製薬会社を定年退職後の2012年10月に鉄道ジオラマを制作展示するこの工房を立ち上げた。新しいジオラマを前に、「お客さんと鉄道談義に花を咲かせながら楽しくやっていきたい」と話す。

ジオラマ内の列車を走らせるコントローラー=奈良県五條市新町のジオラマ工房Y・Nで2025年8月11日午後1時14分、松田学撮影
ジオラマ内の列車を走らせるコントローラー=奈良県五條市新町のジオラマ工房Y・Nで2025年8月11日午後1時14分、松田学撮影

 工房ではジオラマ教室も開いている。田舎や都会の情景、四季折々の自然の風景……と作るものは自由。初心者にも一から教えてくれる。受講料は1回3500円、制作時間は1時間から1時間半ほど。

 工房の営業は金~日曜、祝日の午前10時~午後4時。野口さん(090・4908・3952)。

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