存続に揺れる王貞治さんゆかりの野球場 「TSMCの町」は救世主か

Date: Category:速報 Views:2410 Comment:0

「熊本の甲子園」の異名を持つ藤崎台県営野球場=熊本市中央区で2025年7月24日、野呂賢治撮影
「熊本の甲子園」の異名を持つ藤崎台県営野球場=熊本市中央区で2025年7月24日、野呂賢治撮影

 王貞治さん(85)=ソフトバンク球団会長=が現役最後の本塁打を放ったことでも知られる熊本市中央区の藤崎台県営野球場(リブワーク藤崎台球場)の移転案が浮上している。完成から65年がたち、老朽化が著しいためだ。地元の球界関係者からは新球場建設を求める声が上がる一方、熊本の球史を彩ってきた現球場の存続を望む意見も根強い。市民に長年親しまれてきた名物球場の行方は――。

 藤崎台県営野球場は1960年、第15回国民体育大会に合わせ、熊本市中心部の熊本城そばに建設された。両翼99・1メートル、中堅121・9メートルで、約2万4000人を収容できる。バックスクリーン周辺にある樹齢約1000年のクスノキ群は国の天然記念物にも指定されている。

 夏の高校野球熊本大会のメイン球場となるため、「熊本の甲子園」の異名も持つ。プロ野球の公式戦やオールスター戦も開催され、80年に巨人の選手だった王さんが秋季オープン戦の最終打席で現役最後の本塁打を右翼席に打ち込んだ球場でもある。

 だが、年月を重ねる中で老朽化などさまざまな課題が浮かび上がってきた。ひび割れが原因で地下通路に水漏れが発生し、手狭なロッカールームや少ないシャワーは使われないことも。スタンドには屋根がなく、夏場には体調を崩す観客も出た。

 駐車場は臨時を含めて約250台しか止められないため、注目カードが組まれる度に周辺では渋滞が発生し、無断駐車などのトラブルも相次いだ。

 このため、熊本県は2024年7月に県内のスポーツ施設の在り方を検討する有識者会議を設置し、球場を利用している野球チームや団体にヒアリングなどの調査を実施した。

Comments

I want to comment

◎Welcome to participate in the discussion, please express your views and exchange your opinions here.