札幌市中央区の大通公園で16日まで開催していた北海盆踊りの会場で、キングレコードが7月30日に発売したCD「子供盆おどり唄」を企画した同社の松本圭介ディレクターと、CD化を求めるメールの送り主が初対面し、発売を喜びあった。
メールを送ったのは札幌市の会社員、前田明裕さん(36)。3年ほど前、ふとした理由で子供盆おどり唄に興味を持った。
音源を探したが、テープは売り切れ状態で、動画投稿サイト・ユーチューブには個人が投稿したものがあるばかりだった。
地域のお祭りで毎年流れる楽曲なのに、正規の音源はカセットテープのみ。テープが使えなくなると個人でコピーした音源しかなくなる。「盆踊り自体の存続も危うくなる。健全でないと思った」と振り返る。
CD化は発売の発表日にインターネットのニュースで知り、松本さんからもメールがあった。毎日新聞の記事を読んで自分のメールがCD化のきっかけだと知ったという。
顔を合わせたのは13日、販売促進のために北海盆踊りの会場にいた松本さんに、前田さんがX(ツイッター)からダイレクトメッセージを送信したことで対面がかなった。
松本さんは「話がつきず、お互いに『ありがとう』と言い合った」。前田さんは「個人でメールを送ったのが自分だけで、それがきっかけになったことに驚いた。ささやかな願いがかなってうれしい」と喜んだ。【今井美津子】
Comments