お手本はあの大リーガー 左手ハンディの県岐阜商・横山 夏の甲子園

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【明豊-県岐阜商】一回裏県岐阜商2死二、三塁、横山が適時打を放つ=阪神甲子園球場で2025年8月17日、長澤凜太郎撮影 拡大
【明豊-県岐阜商】一回裏県岐阜商2死二、三塁、横山が適時打を放つ=阪神甲子園球場で2025年8月17日、長澤凜太郎撮影

高校野球・夏の甲子園3回戦(17日)

○県岐阜商3―1明豊(大分)●

 名前がコールされると、ひときわ大きな拍手が送られた。

 一回に2点を先行した県岐阜商。なお、2死二、三塁で7番・横山温大(はると)が左打席に入った。

 「狙っていた」と、初球の133キロの直球を振り抜いた。乾いた金属音が球場に響き、鋭い打球は一、二塁間を抜けた。3試合連続安打となる右前適時打で貴重な追加点をもたらし、「なんとしても、あと1点取りたかった」と、してやったりだった。

 横山は生まれつき左手の指がない。右手でバットを握り、左手を添える。ボールを捉える時まで添え続け、左手で強く押し込みながら、振り抜く。

 ウエートトレーニングなどで右手を鍛え続けるなど、人一倍の努力をして今夏にレギュラーの座をつかんだ。

 手本とするのは米大リーグ・レッドソックスの吉田正尚だ。自身と身長が同じくらいの左打者で、映像を見ながらタイミングの取り方などを学ぶ。

 2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準決勝のメキシコ戦で右手一本で振り抜き、同点の3ランを放った姿は自身の打撃スタイルとも重なり、大いに参考にしている。

 岐阜大会は5割超の打率を残し、甲子園では3試合で4安打2打点。藤井潤作監督は「この大会のヒーロー」とたたえる。

 「景色も見慣れてきました」という、憧れの甲子園での校歌も3度歌った。準々決勝は対戦を熱望していたセンバツ王者の横浜が相手だ。「強いところとやりたかった。ワクワクしている」

 周囲に希望を与え続ける球児の挑戦は続く。【村上正】

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