米国のウィットコフ中東担当特使は17日のCNNテレビで、15日に実施された米露首脳会談で、米国や欧州がウクライナに対して北大西洋条約機構(NATO)の条約第5条に類似した「安全の保証」を提供することについて、ロシア側が容認したと述べた。ウィットコフ氏は主にロシアとの交渉を担当し、首脳会談にも同席した。
北大西洋条約第5条は、加盟国への攻撃を全体への攻撃とみなして集団的自衛権を行使すると規定している。ウクライナはNATO加盟を強く求めてきたが、ロシアは断固反対してきた経緯がある。
ウィットコフ氏は、米側が露側から譲歩を引き出すことができたと主張し、「ロシアがこのような提案に同意した初めてのケースだ」として会談の成果だと強調した。
「米国第一主義」を掲げるトランプ政権は対外関与に否定的で、ウクライナが求める停戦後の「安全の保証」についても「欧州が担うべきだ」との立場だった。ただここにきて、米側も関与する姿勢に転じた模様だ。【ワシントン松井聡】
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