分断の世界で日本は 「信頼」で橋渡しを 中満泉・国連事務次長

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毎日新聞のインタビューに応じる中満泉・国連事務次長(軍縮担当上級代表)=2025年8月5日午前10時53分、福島良典撮影
毎日新聞のインタビューに応じる中満泉・国連事務次長(軍縮担当上級代表)=2025年8月5日午前10時53分、福島良典撮影

 第二次世界大戦の終結から80年を経て、世界は「戦争の時代」の様相を深めている。欧州と中東で「二つの戦争」が続き、グテレス国連事務総長は「核戦争のリスクは過去数十年で最高水準」と警鐘を鳴らす。トランプ米政権の高関税政策で自由貿易体制も揺らいでいる。どうすれば、傷ついた戦後国際秩序を立て直せるのか。日本が果たすべき役割は。国連で軍縮部門のトップを務める中満泉・事務次長に聞いた。【聞き手・福島良典】

 ――戦後70年の2015年、世界は「テロとの戦い」のさなかでした。欧州に難民が押し寄せ、パリ同時多発テロが起きました。10年を経て国家の暴力が目に付きます。

 ◆内戦、内紛、テロがなくなったわけではなく、国家間の戦略的競争、地域のライバル国による紛争が加わった。人工知能(AI)を含め科学技術の支配権を「誰が握るのか」の争いと相まって激変が起きている。歴史の大きな転換点だ。国際秩序を崩壊させてしまうと、人類の存亡に関わる状況に陥る可能性もある。

 どうすれば良いか。答えは自明だ。気候変動対策やテクノロジーのガバナンス(統治)などを一国だけで解決すること…

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