パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスは18日、仲介国が提示した60日間の一時停戦案を承諾したと明らかにした。ガザでイスラエル軍が攻勢を強め、人道危機がさらに深刻化する中、イスラエル側もこの停戦案を受け入れるかが今後の焦点となる。
ハマスの発表やロイター通信の報道などによると、停戦案は17日に仲介国のカタールとエジプトが提示した。停戦期間中にハマスが拘束中の人質の半数を引き渡す一方、イスラエルも収監しているパレスチナ人を釈放する内容で、包括的な停戦に向けた協議も始める。
18日にはエジプトでハマス側との協議も開かれ、仲介国が停戦案を承諾するよう圧力をかけたという。
米ニュースサイト「アクシオス」によると、今回ハマスが承諾した停戦案は、イスラエルが受け入れを表明していた米国案と「98%類似している」とされる。一時停戦を巡る交渉は7月にいったん本格化したが、イスラエル軍の撤退範囲や人道支援の方法などを巡って決裂していた。
イスラエルはその後、ガザ地区の最大都市ガザ市を制圧する計画を立てて攻勢を強めており、ハマスが妥協した可能性がある。イスラエルのネタニヤフ首相は18日の声明で「ハマスは途方もない圧力を受けている」と述べたが、停戦案への対応については言及しなかった。
一方、これに先立ち、トランプ米大統領は18日、自身のソーシャルメディアで「ハマスに立ち向かい、破壊したときにのみ(ハマスに拘束されている)人質の帰還を実現できるだろう!!! 早ければそれだけ成功の可能性は高い」と投稿し、イスラエルによる軍事作戦の強化を支持する姿勢を示した。【カイロ金子淳】
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