第107回全国高校野球選手権大会第13日の19日、15年ぶりの都勢対決は日大三(西東京)が関東一(東東京)を5―3で降し、2018年以来7年ぶりのベスト4進出を決めた。日大三は四回に4安打を集めて3点を先制。五回には田中諒(2年)のソロ本塁打も飛び出した。関東一は日大三を上回る10安打を放ったが、反撃を阻まれた。日大三は大会第14日第1試合(21日午前8時開始予定)で県岐阜商(岐阜)との準決勝に臨む。【洪玟香、早川健人、栗林創造、来住哲司】
日大三は四回1死一、三塁、代打の豊泉悠斗(3年)の左前適時打で先制した。ブルペン捕手と控え外野手で西東京大会では出番が無く、今夏初の公式戦出場がいきなりの大舞台となった。三塁側アルプス席で父の裕之さん(46)は「本当に祈る思いだった。よく打った」と喜んだ。さらに2死二、三塁で安部翔夢(3年)の中前2点適時打が出て、計3点を先取した。
その裏に2点を失ったが、五回に敵失で1点追加。続く4番の田中諒が、大会2本目の本塁打を左翼席中段へ運んだ。甲子園入りして体重が増えて96キロに。「パワーアップしてイメージ通り打てた」と胸を張った。
先発は2試合連続完投のエース近藤優樹(3年)ではなく、西東京大会で3イニング投げただけの山口凌我(同)。前夜に先発を告げられ、3回3分の1を2失点で近藤につないだ。山口は「甲子園のマウンドが楽しみだった。近藤を少し休ませられた」と笑顔を見せ、三木有造監督も「思った以上に投げてくれた」と評価した。
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関東一は3点を追う四回裏1死二塁で5番・小林響葵(3年)が左翼へ適時二塁打を放ち、1点を返した。小林は「勝負は後半からだと思っていたので焦りはなかった」と振り返った。その後、相手の失策で1点を加えた。五回にも2点を奪われたが、その裏に先発の坂本慎太郎(同)が2死二塁から右前適時打を放ち、自らのバットで1点を返した。
3―5で迎えた八回。2死一、二塁で田村渉(同)が代打に起用された。「今までやってきたことを一打に賭けよう」と打席に向かった。内野安打で満塁の好機を演出したが、後続が倒れ、追加点に結びつかなかった。
最終回。昨夏の甲子園決勝と同じく、打者2人が倒れた後の場面で坂本に打順が回ってきた。3球目をたたくとセンターフライに終わり、目標だった優勝への道が途切れた。
試合後、主将の越後駿祐(同)は「悔しいと思うけど、前を向いて行こう」と坂本を励まし、日大三の選手には「絶対優勝しろよ。俺たちの分まで頼むぞ」と声をかけた。
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