毎年春に北九州市小倉南区の紫川の桜橋近くに掲げられ、見物客を楽しませるこいのぼりや吹き流しのリメークに、約1年前から住民が取り組んでいる。これまで風雨による劣化で廃棄されていたものが、カラフルなエコバッグなどによみがえっている。
遠くは関東などから寄付された大小さまざまの約600匹が、風に乗って約1カ月間、勇壮に泳ぐ「紫川こいのぼりまつり」は地域の風物詩。長行校区住民らによる実行委員会が、地元活性化の一環として続けている。
こいのぼりの中で、掲揚に耐えられなくなったものを再利用し、収益をまつりに還元しようと、2024年に「リメーク大作戦」が始まった。実行委事務局・長行市民センターの鷹取貴美子館長が、よくセンターを訪れ裁縫も得意な中村節子さん(86)に相談し、試作を経てエコバッグにすることに行き着いた。中村さんが仲間を誘って現在は主に5人で取り組み、手伝ってくれる人も現れた。今では巾着、コースターも手掛けている。
材料はセンター側が洗って干して提供。中村さんによると、強度を確かめたうえで、こいのぼりや吹き流しのデザインを見ながら、型紙を手に完成形をイメージして裁断し、ミシンで縫って仕上げている。端材はためておき、エコバッグを収納する袋に使ったり、小型の巾着の材料にしたりと無駄のないよう使うという。
自宅で作業をして月に1度、センターにできた物を持ち寄っている。6月からは、それに加えて月に1度集まり、意見を出し合いながら材料を切る作業をするようになった。
エコバッグなどは校区のイベントで完売するなど好評を博している。25年も23日の校区の夏祭りのほか、30日(荒天時は31日)の小倉南区のイベント「まつりみなみ」で販売する。「みんなに喜んでもらえてありがたい」と中村さん。今後も「無理なく、楽しく!」とリメークを続けるという。【宮本勝行】

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