名手ならでは 歴史の重層 エッセー刊行 澤田瞳子さんの「京都」

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 京都で生まれ育ち、今も暮らす。それなのに、こんなふうに思うのだという。「『京都旅行』がしてみたい」

 作家の澤田瞳子さんが今春刊行したエッセー集『京都の歩き方 歴史小説家50の視点』(新潮選書)につづったのは、深い歴史を抱き、世界の観光客を引きつけるこの町のさまざまな顔だ。長年住んでいるからこそ見える表情を、歴史小説の名手ならではの目線で紹介している。

 「『四季折々に京都を訪ねる』『恋人との思い出の場所』といった話を聞くたびに、いいなあと思う。憧れの地としての京都と、生活する者が見ている京都は違う」。例えば混雑を避け、著名な観光スポットには近づかず、桜や紅葉のシーズンは外出を控える。いわゆる「京都」を楽しむ機会は少ないという。「旅先に『京都』を持たない私は損をしているような気がします」

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