ロシアのラブロフ外相は20日、ウクライナの「安全の保証」に関する米欧やウクライナの議論を念頭に「現在提起されている安全保障の問題をロシア抜きで解決することには同意できないし、不可能だ」と述べた。ヨルダンの外相との会談後の記者会見で報道陣の質問に答えた。ロシアを除外した形での議論は「絵空事に過ぎない」と指摘し、「安全の保証」に関する協議を先行させる米欧側を強くけん制した。
タス通信によると、ラブロフ氏は「ロシア抜きで安全保障の問題を真剣に検討することが絵空事に過ぎず、袋小路に陥ることを、西側、特に米国が十分に理解していると確信している」と述べた。
また、欧州諸国の動きについて「(ロシアに対する)攻撃的な圧力が高まっている状況がみられる。トランプ米大統領の立場を変えようとする非倫理的な試みもみられる」と指摘した。
一方、ウクライナ問題を巡る首脳会談の実施については「いかなる協議についても対応する用意がある」との考えを強調。「首脳レベルの会談実施については、状況を悪化させることなく交渉を終わらせるため、あらゆる段階で最も綿密に準備することが不可欠だ」との主張を繰り返した。【モスクワ山衛守剛】
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