(第30節・20日)
町田が3―1でガ大阪を降し、クラブの連勝記録を8に伸ばした。神戸は1―0で広島を退けた。
◯FC町田ゼルビア3―1ガンバ大阪●(20日・町田GIONスタジアム)
強いチームは抜け目がない。リーグ戦8連勝を達成した町田にとって象徴だったのがMF林幸多郎の勝ち越し点だった。
リーグ6戦ぶりの失点で同点に追いつかれ、連勝ストップも頭をよぎった後半33分。左クロスにFW呉世勲が頭で合わせたシュートは、ガ大阪のGK一森純の正面に飛んだ。
だが、ここで一森がまさかの捕球ミス。こぼれ球に林がいち早く反応し、右足で押し込んで勝ち越した。
2戦連続得点の林は「後半に入って失点し、すごく流れが悪かった。常にゴールを狙っていたら、こぼれてくるだろうと思った」としてやったりの表情を見せた。
町田の黒田剛監督も「あれで選手たちが息を吹き返した」と、林の集中力をたたえた。
この日の町田には不安材料があった。攻撃をけん引するFW相馬勇紀が出場停止だったからだ。
キーマンが不在だったが、最終盤にはPKで突き放し、前節に続いて3得点での快勝。総合力の高さを示した。
これで暫定ながら首位に浮上したが、黒田監督はJ1初昇格で優勝争いを演じた昨季の経験からこう語る。
「去年も首位にいた時、下からあぶられるような感覚があった。そんなに簡単に首位を維持できるとは思っていない」
連勝による高揚感はみじんもなく、淡々と次の勝利を狙う。【高野裕士】
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