
韓国の李在明(イジェミョン)大統領が23~24日に日本を、次いで24~26日に米国を訪問する。滞在中、石破茂首相、トランプ米大統領との首脳会談に臨む。韓国の大統領が就任後、米国より先に日本を訪問するのは極めて異例だ。野党時代に「日本は敵性国家だ」とまで言い放った李氏が日本重視に転じた狙いは、いったいどこにあるのか。
国交正常化60年の節目に
李氏の日米歴訪はまず、米国の日程が固まった。その後、米国からの帰路に日本を訪問する案もあったが、日本側との調整の結果、先に訪日することになった。
保守系の韓国紙「朝鮮日報」によると、訪米の前に首脳会談のために訪日する大統領は李氏が初めてとなる。近年の大統領では、保守系の朴槿恵(パククネ)氏は在任中に一度も訪日せず、進歩系の文在寅(ムンジェイン)氏も国際会議に合わせて2度訪日したのみ。日韓関係を改善した保守系の尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領も訪日したのは訪米の後だった。
朝鮮日報は李氏の狙いについて、今年が日韓国交正常化から60年の節目にあたることから、「韓日協力の強い意志」を強調することだと報じた。
ただ、進歩系の李政権を支持する国民の中には、歴史問題などで日本に厳しい姿勢を取る人も少なくない。実際に李氏が15日、日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」の演説で歴史問題への言及を抑制すると、対日強硬派の市民団体は同日、「深い失望を禁じ得ない」と反発した。
それでも李氏が日本重視の姿勢を鮮明にしていることについて、日韓関係筋は「(訪米より訪日を先にしたのは)勇気ある選択だ。李大統領の自信の表れと言える」と指摘する…
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