全国高校野球選手権大会は第14日の21日、阪神甲子園球場で準決勝があり、県岐阜商は延長十回タイブレークの末、2―4で日大三(西東京)に敗れ、69年ぶりの決勝進出はならなかった。
県岐阜商の「7番・ライト」の横山温大(はると)選手は二回に同点の右犠飛を放った。生まれつき左手の指がないが、「自分のように体にハンディがあっても、『甲子園で野球ができるんだぞ』というところを見せていきたい」との思いで臨んだ今大会。試合後は周囲への感謝があふれた。
横山選手の試合後の主な談話は次の通り。
県岐阜商・横山温大選手
全員でやりきったという気持ち。悔いはない。胸を張って、みんなで岐阜に帰りたいです。
(二回の同点の右犠飛は)「自分のバットで、なんとしてでも追いつくぞ」という気持ちで食らいついた。でも、その後は大事なところで一本が出なかった。(五回以外は)追加点を取れず、(完投した)柴田(蒼亮投手)に苦しい思いをさせてしまった。申し訳ないです。
九回の打席に立つ前に、すごく大きな声援があった。「ここまでやってきてよかった」と改めて思う。打てなかったけど、ここに立てて、やってきてよかったなと思います。その声援に後押しされました。すごく、とても最高な景色でした。
正直、自分でもここまでやれるとは思っていなかったです。周りの人のサポートがあり、周りの人や投手が頑張ってくれて、ここに立たせてもらった。感謝したいです。
監督は特に、自分を使うのはとても勇気がいることだったと思うけど、周りの目を気にせずに、自分を使ってくれた。とても感謝しています。
(甲子園で)1試合1試合、自信がついた。人間としても、技術的にも、とても成長させてもらった場所でした。
今日はあまりいい活躍はできなかったけど、ここまでしっかりヒットを打てた時もあった。自分みたいな子に、「この場に立てるんだぞ」というのを見せられた。そういう子たちがこれから増えて、自分みたいな人たちが、いろんなところで活躍するのが楽しみです。
(県岐阜商の躍進はテレビのワイドショーでも取り上げられた)テレビなどで知ってもらえるのは、とてもうれしい。「周りの人たちに勇気を与えられるように」という目標で甲子園に立っていた。それができたなら、よかったと思います。
(今後は)まずは大学進学。もっとレベルの高いところで、目標を持ってやっていきたいです。
どこまで行けるかわからないですが、限界まで、行けるならプロまで、頑張っていきたいです。
(目標への距離は)夏の大会が始まる前は遠い存在だった。今は、ちょっとは近づけたかなと思います。
でも、プロは甘い世界じゃないと分かっているので。もっと自分を成長させて、もっとレベルアップしていきたいと思います。
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