/158 辻村深月 画 佐伯佳美

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 しかし、ここが凌生のそんなかしこまった準備を必要としない雰囲気の施設だということは、通された部屋の感じでもうわかった。色合いが優しいクリーム色を基調とした壁と床、職員が作ったであろう季節ごとの掲示物の種類の多さやその出来栄えの丁寧さに好感を持つ。

「昭美(あきみ)ちゃんから聞いたけど、立ち退きさせられる、あのアパートのお隣さんなんだって? 理不尽な話だよね。何の前触れもなく急に話が来たんでしょ? もう引っ越したの?」

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