イタリアの巨匠、パオロ・ソレンティーノ監督が、若さと美、そして故郷ナポリへの郷愁と憧憬(しょうけい)をたっぷりとつぎ込んだ一作。美しいものを時に過剰なまでに美しく描いた映像を見るだけでも、目の保養になりそうだ。
1950年、ナポリの裕福な家庭に生まれ、パルテノペ(ギリシャ神話の人魚の名で、ナポリの町を意味する)と名付けられた女性の一代記。68年、73~75年、82年から2023年へと時代を刻みながら、その人生を追っていく。
愛情に囲まれて育ち、人類学を学ぶ大学でも成績優秀。23歳の時に出会った作家に「美は可能性の扉を開く」と告げられて、美しさを自覚してのびのびと羽ばたいていく。しかし兄の自死をきっかけに深く傷つき、居場所を求めてさまよった後に、恩師の元で研究者の道を歩み始める。
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