サスペンスやファンタジー、エッジの利いた展開などはない。どこにでもある普通の人々の日常を丹念に切り取って、小品だが映画館を出るときに温かい気持ちになれる。昨今、なかなか出合えなくなった、ちょっといい物語だ。
岡山県倉敷市。高校生の蒼（山時聡真）は、幼なじみの紅子（中島瑠菜）の兄で自閉症のきょんくん（堀家一希）を神社の高い木の上から下ろすため、きょんくんに「打ち上げ花火を見せる」と約束してしまう。紅子は決して約束を忘れないきょんくんが口先だ…
蔵のある街 青春はたどたどしくも懸命
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