
22日までの3日間にわたって横浜市で開かれていた第9回アフリカ開発会議(TICAD)が閉幕した。政治的にも経済的にも存在感を高めるアフリカの国際社会での立ち位置や、関係強化を図る日本の思惑を探った。
TICADで、石破茂首相は日本外交の基軸である「自由で開かれたインド太平洋」構想の下、アフリカの域内統合や産業発展を目指す独自の新経済圏構想「インド洋・アフリカ経済圏イニシアチブ」を提唱した。米中が対立し、米国の関税措置などで国際的な経済秩序も揺らぐ中、日本はアフリカの潜在力と成長力の高さを重視。結果、今回のTICADは、投資拡大や重要鉱物の供給網の強化など「経済一色」の様相を呈した。
「アフリカの成長を支援し、ダイナミズムを取り入れることが日本経済の活性化につながる。その道筋を示すことが日本政府の国民と世界に対する責任だ」。首相は閉幕時の共同記者会見で、意義を強調した。
TICADはアフリカの貧困が課題だった1993年に開発援助を主要議題として始まった。「トーキョー・インターナショナル・コンファレンス・オン・アフリカン・デベロップメント(開発)」の略だが、その後の各国の経済成長に伴い、今回は投資への転換を明確に打ち出した。外務省幹部は頭文字に関し、「もうトレード(貿易)のT、インベスト(投資)のIでいいと言う人もいる」と苦笑する…
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