第107回全国高校野球選手権大会の決勝に進んだ沖縄尚学(那覇市)を応援しようと、那覇空港発の特別便に乗り込んだ沖縄県民やファンら約160人が22日、関西国際空港に到着した。決勝の23日朝も特別便が沖縄から到着する。
日本航空グループの日本トランスオーシャン航空(JTA、那覇市)が運航した「応援特別便」。沖縄尚学が21日に決勝進出を決めると、JTAは試合終了の約2時間後に「ちばりよー(頑張れ)、沖縄尚学」と銘打ち、関空―那覇線で4便(22~24日、計660席)を新たに設定。1時間以内に予約が埋まる便があるなど、全便完売した。
沖縄尚学野球部OBで沖縄県南城市の自営業、宮国聖也さん(32)は、野球をしている長男で小学5年の晴大さん(11)と一緒に搭乗し、応援用に「沖縄尚学」と書かれたタオルやユニホームを手にエールを送った。
宮国さんは「夏の甲子園優勝という野球部の新しい歴史をつくってほしい。私は夏の沖縄大会準決勝で敗れて甲子園に出場できなかった。息子に初めての甲子園を見せようと思い、準決勝が終わってすぐに航空券を申し込んだ」と話した。晴大さんは「絶対に優勝してほしい。試合が楽しみで、自分も将来、甲子園に出場したい」と笑顔を見せた。
「うちなー(沖縄)の翼」を掲げるJTAの担当者は「県民の『現地で応援したい』という熱い要望に応えた。すぐに完売し、沖縄の高校野球に対する熱意を改めて感じた。これからも沖縄県民のお役に立てるよう尽力していく」と話し、後方支援をアピールした。
沖縄勢の決勝進出は、2010年に初優勝した興南以来で15年ぶり4度目。沖縄尚学は春のセンバツで2度優勝しており、夏の決勝進出は初めて。【中村宰和】
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