全国高校野球選手権大会は今年も数々のドラマがあった。
甲子園での戦いを終えると、早くも次の目標を口にする3年生もいた。プロや大学、社会人だけではなく、全く別の道への夢を語った選手もいる。
主な3年生の今後の進路をまとめた。
プロ野球へ
春夏連覇の期待がかかった横浜(神奈川)のエースナンバー「1」を背負った奥村頼人(らいと)投手は、準々決勝で県岐阜商に敗戦後、「今まで隠していたが……」と切り出し、「この大会でレベルアップしてプロの道へ行くことを決めていた。これからはプロ一本を目指して頑張りたい」と表明した。
2024年春のセンバツ王者の健大高崎(群馬)も、前評判の高い二枚看板がプロ挑戦を明言した。
今夏の甲子園で155キロを計測した右腕・石垣元気投手は「完投できる投手になりたい」。肘の靱帯(じんたい)再建手術(トミー・ジョン手術)から復活した左腕・佐藤龍月(りゅうが)投手は「マウンドに立ったら絶対的な安心感というか、そういう存在になりたい」と抱負を語った。
他にも神村学園(鹿児島)の主戦・早瀬朔投手らもプロ志望届の提出を表明している。
大学野球へ
今夏の有力選手で目立ったのが、将来的なプロ入り希望を持ちながら、まずは大学に進学してレベルアップしたいと考えるケースだ。
2年生の時から主将を務めた横浜の阿部葉太選手、夏連覇を狙った京都国際のエース・西村一毅投手、関東一(東東京)の坂本慎太郎投手、東洋大姫路(兵庫)の阪下漣投手など上位進出校の主力選手がずらりと並ぶ。
右肘に不安のある阪下投手は「目指す先はプロ野球だが、今のままでは絶対に活躍できない。度胸もないし、結果も出せなかった。大学に進学し、初心に戻ったつもりで一から鍛え直したい」と語った。
好プレーを連発し、旋風の中心となった県岐阜商の横山温大(はると)選手、独特の表情が話題を読んだ豊橋中央(愛知)の高橋大喜地投手らも大学進学を予定している。
社会人野球、野球以外の道へ
初戦で惜敗した天理(奈良)の赤埴(あかはに)幸輝選手は「社会人一択」と明言した。「プロの世界では1年目から活躍したいという気持ちがあり、まずは社会人に進むことを決めた。この(細身の)体ではまだ何年もかかってしまうと思った」と語った。
県岐阜商の主軸の坂口路歩(ろあ)選手は準決勝で敗れた後に、「野球は高校で最後にする」ときっぱり。今後は経営を学ぶため、米国に留学するつもりという。【角田直哉】
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