「何の相談もなく…」兄が語る沖縄尚学・新垣有絃の素顔 夏の甲子園

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決勝に向けて意気込む沖縄尚学の新垣瑞稀選手(右)と弟の有絃投手=大阪府豊中市で2025年8月22日、玉城達郎撮影 拡大
決勝に向けて意気込む沖縄尚学の新垣瑞稀選手(右)と弟の有絃投手=大阪府豊中市で2025年8月22日、玉城達郎撮影

 仲間も、身近な存在も驚く成長がチームの躍進につながった。

 全国高校野球選手権大会の23日の決勝で日大三(西東京)と対戦する沖縄尚学に、注目の投手がいる。背番号「10」の本格派右腕、新垣有絃(ゆいと)投手(2年)だ。今大会は一塁手で出場している兄の瑞稀(みずき)選手(3年)が、「普段は友達のように仲が良い」という弟について語った。

 有絃投手は2回戦の鳴門(徳島)で先発し、5回無失点と好投。準々決勝も先発し、強打の東洋大姫路(兵庫)を6回1失点に抑えた。準決勝の山梨学院戦では六回のピンチで同じ2年生の左腕、末吉良丞投手を救援し、最後まで無失点で封じた。

【沖縄尚学-鳴門】沖縄尚学の先発・新垣有絃=阪神甲子園球場で2025年8月14日、長澤凜太郎撮影 拡大
【沖縄尚学-鳴門】沖縄尚学の先発・新垣有絃=阪神甲子園球場で2025年8月14日、長澤凜太郎撮影

 大会前は最速150キロを誇る末吉投手に注目が集まっていたが、有絃投手は曲がりの大きいスライダーを駆使し、安定感では引けを取らない。直球も、山梨学院戦で146キロを計測するなど、潜在能力の高さを見せている。

 「自信を持って自分のピッチングができて、抑えきれていた。とても良かったかなと思います」と、瑞稀選手は山梨学院戦での弟の投球に目を細める。

 瑞稀選手自身は背番号「3」を付け、上位打線を任されている。

 弟とはいつも一緒だった。父の草野球で一緒に遊び、野球にのめり込んだ。中学まで同じ沖縄のチームでプレーしたが、「高校は違うところに行くんだろうな」と思っていたという。有絃投手は関西の高校への進学がほぼ決まりかけていたからだ。

【沖縄尚学-東洋大姫路】二回表沖縄尚学1死満塁、新垣瑞稀が犠飛を放つ=阪神甲子園球場で2025年8月19日、平川義之撮影 拡大
【沖縄尚学-東洋大姫路】二回表沖縄尚学1死満塁、新垣瑞稀が犠飛を放つ=阪神甲子園球場で2025年8月19日、平川義之撮影

 しかし、自身がいる沖縄尚学の練習に突然参加し、そのまま入部が決まった。「何の相談もなかったので……、びっくりしました」と瑞稀選手。

 有絃投手は「比嘉(公也)監督の指導を受けたかった」と言う。

 入部当初はまだ球威がなく、比嘉監督も「行儀の良いストレートだった」と笑う。それが投球フォームの試行錯誤などが実り、ぐんぐん成長した。

 瑞稀選手は「自覚も出てきて、積極的に練習するようになった」とうなずく。

 有絃投手は性格的におとなしく、口数も少ない。それでも「みんなといる時とかは楽しそうにやってます」(瑞稀選手)。

 練習中を含め、兄弟間では敬語は使わず、それぞれの学年であった笑い話を共有する。家族で焼き肉を食べるのがたまの楽しみだという。

 有絃投手は好投していることに加え、端正な顔立ちだとして話題になっており、瑞稀選手は「(反響は)知っています。自分もイケメンだと思います」とニヤリ。2人で学校初の夏の頂点を取りに行く。【生野貴紀】

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